砂漠の夜の幻想奇談


「如何した、カムルトスよ」

気になったアフリドニオス王が尋ねると、熟練の騎士である彼は神妙な面持ちで口を開いた。

「この勝負、このままでは半日かかっても決着がつかないでしょう」

「なんと…!」

「彼らの力は互角。しかも無駄に体力がある。長引かせてしまえば次の団体戦に支障がでます」

いくら取り替え自由と言ってもこれ以上、槍をボキボキ折られるわけにはいかない。

「王様、審判として意見を申しますと、この一騎打ちは引き分けに致すのが宜しいかと存じます」

「ふむ……ならばそのように致せ。審判はお前なのだからな。判断は任せる」


この会話を横で聞いていたサフィーアは目を見開いた。


(引き分け!?ありなの!?)


たまに、なかなか決着がつかない場合は引き分けとされることがある。

サフィーアが知らなかっただけで、カムルトスの判断が異例というわけではなかった。