砂漠の夜の幻想奇談


「はっ!」

「くっ!」

ボキッと嫌な音がしてシャールカーンの槍が折れた。

直ぐさまバルマキーが替えの槍を用意し近寄る。

「王子!これをっ」

「すまない!」

シャールカーンはジェドラーンを駆りながらバルマキーから新しい槍を受け取った。

これで彼が折った槍の数は七本。


「はあっ!!」


またテオドールに向けて槍を構えるも、今度は彼から一撃を食らわされた。

「ハッ!!」

声を上げながらテオドールがシャールカーンの盾を突く。

盾に描かれているのは黄金の獅子。

シャールカーンを象徴するかのような黄金の獅子は、その心臓で槍の先端を受け止め見事に砕いた。

テオドールが壊した槍もこれで七本目と相成った。


「うーむ……これは…」

王の隣で観戦していた審判カムルトスが目を細めて唸る。