砂漠の夜の幻想奇談


「はっ!」

掛け声をかけながら馬を駆る。

最初の激突は何とも派手なものだった。

両者、槍を前に突き出し相手の急所を狙う。

「はぁあっ!!!!」

カシェルダの槍はうるさい音を立ててルカスの盾に当たった。

「ぐっ!」

結果、ルカスの攻撃は空振りに終わったが、直ぐさま手綱を握り直して馬に体当たりをさせる。

ドンと横から力強い当たりを食らい、カシェルダの軍馬がいなないた。

「怯むな行くぞ!」

少し距離を開いてから再び突撃。

互いの槍がぶつかり合い、弾かれる。

長さ三メートルもある槍を巧みに振り回してみせる様は、さすが武人と言えよう。

「おらぁあ!!!」

ルカスの突きがカシェルダの盾に描かれた竜の腹に命中する。

盾には人によって異なる紋章が描かれており、この絵柄によって相手が誰だか見分けられるようになっていた。