砂漠の夜の幻想奇談



 ラッパが高らかに鳴り響く。

それに合わせて奏でられる角笛の音や太鼓のリズム。

街中を歩く楽隊と一緒になって、伝令官が元気よく声を張り上げる。

「いでませよ!いでませよ!騎士の方々、競技場へ意気高らかにいでませよ!!」

始まりの合図が街中に告げ知らされる頃、すでに太陽は昇っていた。

騎士達だけでなく市民達も家から出て来ては、ワクワクしながら競技場へと足を運ぶ。

練習場とさほど離れていない野原に競技場はあった。

普段は閑散としていて活気のないそこには、色鮮やかな旗が何本も立ち並び、円を描くように観客席が設けられている。

後方になるほど座高が高くなっている客席は、どこも貴族や富豪、市民らで満員状態。

皆、飲んだり食べたり、思い思いに過ごしながら騎士達が登場するのを待っている。