砂漠の夜の幻想奇談




「寛容が美徳と言うならわざわざ相手を挑発するな」

「おや、聞いていたのか。カシェルダ」

トルカシュと一騎打ちをしていたカシェルダが傍にやって来た。

どうやらカシェルダの槍も折れてしまったらしい。

トルカシュと言えば、まんまと馬上から吹っ飛ばされて地面に座り込んでいる。

軽く突く程度と言っておきながら、やはりカシェルダも熱くなってしまったようだ。

「あのルカスを受け入れてこそ真の寛容だ」

「言いたいことはわかるけれど難しいね」

「だろうな。俺にも無理だ」

武装するテオドール達を眺めながら立てかけてある槍を手にする。


「さて、練習再開だ。早く馬に乗れ」

カシェルダに急かされ再びジェドラーンに跨がる。

シャールカーンは意気込んで槍を構えた。