砂漠の夜の幻想奇談



 新たな槍を選ぶためジェドラーンから降りていたシャールカーンは、近づいてきた三人に気づき振り返った。

流暢なラテン語で会話が始まる。

「テオドール、君も練習かい?」

「はい。師匠もですよね。お互い頑張りましょう」

「もう師匠はやめてくれ」

「では、シャールカーン殿で」

「うん。その方がいい」

相変わらず仲が良さ気な二人。

ミロンは呆れた溜息をつき、ルカスは目を丸くした。

「おい、異教徒と馴れ馴れしくするなっ」

ルカスが目つきを鋭くさせテオドールの肩を掴む。

「え?なぜです?」

「なぜって敵だぞ!?オレらが背中見せた瞬間、刺してくるかもしれねぇ!」

ルカスの一方的な言い分にテオドールが顔をしかめた時だった。


「常々不思議に思っているんだけれど…」


シャールカーンが穏やかな声で話し出す。