砂漠の夜の幻想奇談






「楽しそうですなぁー」

木陰に座り込みシャールカーン達を眺めるバルマキーが誰にともなく呟いた。

隣にいるサフィーアとドニヤも、彼の声に頷きながら男達の練習風景を見守っている。


(あ、カシェルダが危ない!逃げて逃げて!……ああっ!シャールがバキッて!)


サフィーアの解説では意味が不明なので詳細を説明したい。

ターバン組みの二人に挟み撃ちにされるも、カシェルダは槍と巧みな馬術でもって彼らの攻撃をかわした。

そしてトルカシュに槍を突き出しつつ、シャールカーンの攻めを盾で受け止める。

カシェルダの盾に激しくぶつかったシャールカーンの槍は、バキッと嫌な音を立てて真っ二つに。


「さすが王子。力がお強いです」

「それに比べてうちの弟はダメね。武官のくせにヘタレなんだから」

バルマキーとドニヤの会話を耳にしながら槍を取り替えるシャールカーンを見つめていると、サフィーアの視界に他の騎士達が入り込んだ。

テオドールにミロン、それから騎士団長の息子ルカスだった。