砂漠の夜の幻想奇談


「戦上手と謳われる貴様には教える必要ないかもしれないが、狙うところは相手の顎の下が最上だ。ほぼ気を失うからな」

顎の下を先端で軽く突かれ、シャールカーンはあることに気がついた。

「この槍、先が丸いね」

「本番で使用する槍も刃はついていない。少し先端がギザギザしている程度だ」

「成る程。思い切り突いても、ある程度は安全か」

シャールカーンも練習用の槍を持ってみる。

なかなか手にズッシリときた。


「盾はこれを使う」

盾がぎっしり詰まった木箱の中からカシェルダが一つ取り出した。

練習用だからか、かなり表面がデコボコだ。

「もし相手が盾でガードしてきたら、ここを突け」

カシェルダは逆三角形の盾のド真ん中を示した。

「槍は砕けるだろうが、衝撃で相手が吹っ飛ぶ」