ハッと気づき、渋々カシェルダから手を放すルカス。
解放されたカシェルダは立ち上がると王に向かって深々と謝罪した。
「申し訳ございません王様。お騒がせ致しました」
「も、申し訳ございません…」
カシェルダにならってルカスも謝りの言葉を述べる。
するとアフリドニオス王が目をつり上げて怒鳴った。
「人の見本となるべき騎士がこのような場で口論など、けしからん!此度は見逃してやるが次はないぞ。心せよ!」
「はっ!肝に銘じます」
言いながらカシェルダがひざまずく。
「同じく、肝に銘じます!」
慌ててルカスも片膝をついた。
「よい。晩餐を続けよ!」
王の言葉で、またヴァイオリンの調べが広間に響き出す。
(良かったわ。大事にならなくて…)
ホッと胸を撫で下ろし、サフィーアはカシェルダを見てから喧嘩を止めに入ったテオドールに視線を移した。



