砂漠の夜の幻想奇談


ニ長調の旋律。

ゆったりとしたヴァイオリンの音色が響く。

白いテーブルクロスの上に次々と運ばれてくる料理。

メインはキジの丸焼き、シカ肉入りのスープ。


同席している司祭が長々とした食前の祈りを唱えた後、やっと食べることが許される。

日々の糧に感謝し終えた時、丁度テオドールとミロンが大広間に駆け込んできた。


「うわ、ギリギリセーフ?」

「野に咲く、薔薇…赤い薔薇…」

周りを見回しながらテーブルに近寄るミロンと、眉間にシワを寄せてブツブツ言っているテオドール。

彼らはカシェルダの傍にやって来た。

「ねえ、ここいい?」

ミロンがカシェルダの隣を指差す。

「ああ。構わない」

許可するとカシェルダの隣にミロンが、ミロンの隣にテオドールが座った。