砂漠の夜の幻想奇談


「何してるの?」

「詩の勉強です」

真面目な顔をして答えるテオドール。

ミロンは友人の向かい側に座った。

「ああ、明日の勝負のね」

「はい。詩の吟唱は苦手なので何か参考になるものがあればと、探しているんです」

「……あれ?でもさ。確かテオって、文字読めないんじゃなかった?」

壊滅的だった親友の語学力を思い出し、首を傾げる。

「はい。読めませんが」

至って真面目な表情で返された。

「じゃあオマエ何しに来たんだよ!!本開いたって意味ないじゃん!」

「気合いで読めるかと」

「気合いで読めたら誰も文字の勉強なんかしないから!」

これだからほっとけない。

ミロンは溜息をつき頭を抱えた。

「難しいですよね。言語って。ちんぷんかんぷんです」

「……否定はしないよ」