砂漠の夜の幻想奇談


サラサラの茶髪。

キリッとした吊り目。

彫りの深い顔立ち。

高い鼻は彼の矜持の高さも表しているようで、どこと無くインテリな雰囲気を醸し出している。

アフリドニオス王が選んだサフィーアの将来の夫。

見た目からして年齢はシャールカーンと大して変わらないようだ。


「お初にお目にかかります。サフィーア姫。僕はテオドールと申します。貴女の婚約者に選ばれるなど、真に光栄の至り」

ゆったりとした裾の長い貴族服を身に纏っている彼は、キリリとした表情を崩さないままサフィーアの手を取った。

そして、軽いリップ音を立てて手の甲に口づける。


(きゃ!?)


サフィーアはもちろん、シャールカーンもテオドールの行為にピクリと反応した。

不愉快極まりないが、ここはグッと堪えろと自分自身に言い聞かす。