砂漠の夜の幻想奇談


「フッ、サフィーアをか」

鼻で笑うアフリドニオス王。

「生憎と我が娘には婚約者がいる」

父の言葉を耳にしてサフィーアはカシェルダが教えてくれた婚約者リストのことを思い出した。


(父上!嫌よ!私、年上のおじさんとなんて結婚したくないわ!)


父親の袖をギュッと掴み、いやいやと首を振る。

「サフィーア。案ずるな。お前の意見はカシェルダから聞いたよ。だからお前に相応しい若者を選んだ」

勢いで「ナイス!カシェルダ」と内心ガッツポーズをしてからハッとなる。


(よ、喜んでる場合じゃないわ!私はシャールがいいの…!)


シャールカーン以外の男性なんて若かろうがお断りだ。

「丁度良い機会だから紹介しておこう。テオドール!来なさい」

アフリドニオス王に呼ばれ、廊下に控えていた若者が姿を現した。