砂漠の夜の幻想奇談


「……ふむ。ターバンを外してまで敬意を表すとはな」

シャールカーンの国では人に挨拶をする時はターバンをつけていることが礼儀とされている。

ゆえに王様の前だろうと決してターバンは外さない。

挨拶する側も外すことを好まない。


しかし、サフィーアの国――ヨーロッパでは挨拶をする際、帽子を取ることが礼儀である。

その慣習にならってシャールカーンはわざわざターバンを取ったのだ。

これの意味するところは大きかった。


「敵国の王子がそうまでして、私に何を望む」

「すでにお分かりのはず…」

第一印象を良くしてからシャールカーンはハッキリと望みを口にした。


「サフィーア姫を私の妻に頂きたい」


(シャール!!)


ドキンとサフィーアの胸が鳴る。

頬がポッと赤らんだ。