砂漠の夜の幻想奇談


「シャールカーン王子、喉は渇きませんか?何か侍女に用意させますね」

「ああ、気を遣わなくていいのに」

「そういう訳には参りません」

ニッコリ微笑み、寝台から起き上がる。

ノーズハトゥは廊下に待機していた侍女を呼び付けた。

「シャーベットと、何かお菓子を持って来てちょうだい」

「かしこまりました」



頼んでから五分後。

数人の侍女達が皿や水盤を運んできた。

テーブルの上に二人分のシャーベットが並ぶ。

大皿には、アーモンドと砂糖が詰まった練粉菓子。

「シャールカーン王子」

侍女の一人が手を洗うための水盤を差し出した。

食べる時の作法にならって手を洗うシャールカーン。

その隙にノーズハトゥは懐から毒薬の包みを取り出し、彼の飲むシャーベットにそれを混ぜた。