砂漠の夜の幻想奇談


「お頭!!」

「てめぇ!調子こいてんじゃねーぞ!!」

子分の一人が勇敢にも金髪青年に刃を向けた。

迫る白刃を見て、青年は不敵に微笑む。

そして、彼は男の足を鮮やかに一刀両断してみせた。


「ぎゃあああ!!!」

「やれやれ…品のない連中だ」

両足を一気に切断され床に倒れる憐れな客人に、侮蔑の視線を投げ掛ける。

「さて…お前もこうなりたい?なりたいならお望み通り叶えてやろう」

青年は美しく微笑みながら、再びお頭に向かって血に濡れた三日月刀を突き付けた。

「て、てめぇ…!」

歯ぎしりする客人のボスに冷ややかに囁く。

「彼女を放せ」


上から目線で命令されてピキッとこないならず者はいないだろう。

男は亡霊の存在などすっかり忘れて叫んだ。


「やっちまえぇ!!!!」