砂漠の夜の幻想奇談


溢れ出る心の声を次々に文章化していくと、それを読んだアブリザ王妃が唸った。

「確かに、気持ちを告げてスッキリさせるという方法もあるけれど……ノーズハトゥ姫が告白を承諾してくれるかしら…?」

やはり本人の意思は大切だ。

長い間ひた隠しにしてきた恋心なら尚更。

「それに…原因はそれだけではないのでしょう?」

意味深にルステムを見遣る。

彼はゴクリと生唾を呑んだ。

「……王妃様は、すでにご存知でしたか…」

「ええ。カンマカーン王子とノーズハトゥ姫の婚約…。これも原因の一つよね」


(えっ!?お二人が、婚約!?)


思わず身を乗り出したサフィーア。

隣に座るアブリザ王妃が苦笑する。

「昨日、貴女とシャールに伝えようとしたのはこの事だったのよ。まだ公になっていないから、知らないだろうと思って」