砂漠の夜の幻想奇談


サフィーアの脳裏にハシーシュのことが過ぎる。

するとルステムは、まさにそのことについて話し出した。

「シャールカーン王子がご寵姫を選ばれたショックで、姫はハシーシュを服用なさいました。危険ですのですぐに取り上げたのですが、禁断症状が表れ、お一人で街へ買いに行く有様…」

サフィーアは街での光景を思い出した。

ルステムの言葉も聞かず、店に入ろうとしていたノーズハトゥ。

「このままでは姫の心身が壊れてしまいます。どうすればよろしいでしょうか…。何か…何か助言をいただきたく…」

姫が大麻中毒者だと大っぴらにはできない。

相談する相手も限られてくる中、ルステムは限界だった。

「もう…見ていられないのです……あのような…痛々しいノーズハトゥザマーン姫を…」

「フェトナー様はご存知なの?」

「……いえ。お母上であるフェトナー様にだけは絶対に言うなと……。それから…シャールカーン王子にも、知られたくないご様子でした」