(えっ?それって、もしかして……ええ!?)
何と無く意味がわかり、サフィーアも顔を赤くした。
「王妃様のおっしゃる通りです。僕には子孫を残す術がありません。ですから、姫のお傍に始終侍ろうとも間違いが起こることはございません」
言ってからルステムは真っ直ぐサフィーアを見つめた。
「僕は姫が十二の頃からお仕えしております。……長く仕えておりますゆえ、姫がずっと内に秘めていた想いを、知ってしまいました」
サフィーアの瞳にルステムの悲痛な表情が映る。
「……シャールね」
ポツリと呟いたのはアブリザ王妃だった。
「私の息子、シャールカーン王子を…慕っているのでしょう?」
返事をする代わりにルステムは深くうなだれると、たっぷり三秒後、意を決したように頭を上げた。
「簡潔に申し上げます。姫は今、心を病んでおられます」



