砂漠の夜の幻想奇談


「マムルークの貴方が、よく姫付きになれたわね。それ程お強いのかしら」

王に腕を買われたのだろうと褒めるアブリザに対し、ルステムは目を伏せた。

「僕は……宦官ですから」

「まあ…!ごめんなさい」


(カンガン…?)


またもや意味がわからない単語にぶち当たった。

納得しているアブリザ王妃に「カンガンとは何ですか?」と書いて尋ねる。

すると、王妃はポッと頬を赤らめて言葉を詰まらせてしまった。

「サフィーア姫は、なんと?」

なかなか答えられないアブリザに、ルステムが問い掛ける。

「その……宦官の意味をご存知ないらしく…」

「ああ、それなら僕がご説明致します。宦官とは去勢して後宮に仕える男性のことです」


(キョセイ…?)


今いち理解できていないサフィーアの思考を見抜いて、アブリザ王妃がコホンと咳ばらいを一つ。

「ようするに…その……切ってしまうのよ。殿方の大事な部分を」