砂漠の夜の幻想奇談


「ご歓談中、失礼致します」

中性的な声が響いた。

皆が一斉に声の方を見ると、部屋の入口にノーズハトゥの従者ルステムが立っていた。


(どうしたのかな?)


まさか倒れたノーズハトゥに何かあったのか。

そう頭で考えながら、サフィーアは改めて彼をしげしげと眺めた。

雪のごとく白い肌。

色素の薄い青の瞳。

綺麗に巻かれたターバンの隙間からは、ふわふわの茶髪が覗いている。

顔立ちからして西側出身のように思われた。


「何の用かな?」

部屋の主であるシャールカーンが柔らかく尋ねる。

すると、ルステムは片膝をついた。

「恐れながら申し上げます。王妃様とサフィーア姫にお伝えしたいことがございます」

「母上とサフィーアに?なんだい?言ってごらん」