砂漠の夜の幻想奇談


さて、どうなることやら。

シャールカーンに近づくダンダーンを、バハラマーンが余裕そうに、トルカシュが固唾を呑んで見守っていた――その時。


「失礼します!ダンダーン!ノーズハトゥ姫がどこにいるか知ってる!?」

慌ただしくカンマカーンが政務所に飛び込んできた。

「カンマカーン王子?いえ……ノーズハトゥの居場所は存じ上げませんが…」

いきなりのことに目を瞬かせて答える大臣ダンダーン。

「そっか…」

しゅんとなった末の王子にダンダーンは恭しく告げた。

「申し訳ございません。ノーズハトゥは昔から街に出るのを好みまして、王宮にいないのでしたら外出した可能性が高いかと…」

「なんだい?カン。ノーズハトゥが行方不明?」

話題に興味を示したシャールカーンが自然な様子でこちらにやって来た。