砂漠の夜の幻想奇談


「わっかんねーかな!?あの笑顔は超不機嫌な時のなんだよ!いつプッツンするかハラハラもんだぜ!」

「ほう、トルカシュ。お前もいっちょ前に主人のご機嫌がわかるようになってきたか。成長したなぁ」

嬉しそうに笑うバハラマーン将軍。

グリグリと頭を撫でられ、トルカシュのターバンが潰れる。

「感心してる場合じゃねえっての!」

吠える息子を「やれやれ」と見つめていると、将軍の隣に背の高い大臣がやって来た。

「お困りのようですね。私がお手伝い致しましょうか?」

「おお、ダンダーン。引き受けてくれるのか?」

「はい」

ダンダーン大臣。

ノーズハトゥザマーンやバルマキーの父親。

彼はバハラマーン将軍の親友でもある。

「上手くいきましたら、おごって下さいね」

「いいぞ。いつもの酒場でディナール金貨一枚分」

「結構」

満足げに微笑むダンダーン。

二人のやり取りを見て、トルカシュは仕事中の自分とバルマキーを重ねた。


(似てる!!このちゃっかりしたところ、バルマキーにそっくりだぜ!さすが親子)