「おやめなさい!!見苦しい!」
凛とした声が響いた。
見れば、ノーズハトゥの隣に座っている女性が彼女達を睨みつけている。
「ブドゥールは空いている席に座ればよい!それからゾバイダ、無駄な挑発をするでない!王妃としての品位を下げるな」
命令口調でハッキリ言われ、両者はギリリと歯ぎしりした。
(あの方は…?)
疑問に思っているサフィーアに、シャールカーンが囁く。
「あれがフェトナー様。ノーズハトゥの母親だ」
(あ!なるほど)
オマル王の妹。
キリリとした眼差しは正義感に溢れ、悪を赦さないと語っている。
ネチネチした女同士の戦いを毛嫌いしているのは目に見えて明らか。
そんな彼女に黙らされた二人の王妃は、渋々フェトナーの言葉に従った。
先程示された席に座るブドゥール王妃。
かなり不機嫌そうである。



