砂漠の夜の幻想奇談


そのままゾバイダ王妃と睨み合う。

先に口を開いたのは見下ろされているゾバイダ王妃だった。

「何か?」

花のような微笑みを浮かべて問い掛けるも、纏うオーラはドス黒い。

サフィーアは初めて目にする女の戦いにハラハラした。


「そこは第一正妃の私が座る席。どきなさい」

冷たい声が刺すように降ってくる。

けれど、ゾバイダ王妃だって負けちゃいない。

「遅れて来て何を申されますか。貴女の席はあちらでしょう」

そう言って、四人の正妃が座る席の中で一番遠い場所を示した。

「無礼な!私は第一王子の母ぞ!」

「その第一王子はとうの昔に行方不明。いつまで王子を盾に我が儘を通すおつもりで?」

両者一歩も退かず。

そろそろ止めないとまずかろう。

そう思ったシャールカーンが口を開きかけたその時。