砂漠の夜の幻想奇談


一同「アッラーに栄光あれ」を繰り返す。

それを合図に宴は始まった。


次々と運ばれてくる料理。

メインはもちろん肉料理だが、他にもスープ類やシチューもある。

皆がそれぞれの侍女に手伝わせ料理を取っていると、にわかに広間の入口近くがざわめき出した。

「ん?どうした?」

気になったオマル王がそちらを見ると、堂々とした態度でこちらに歩いてくる女性の姿が。


「ブドゥール王妃…」

シャールカーンが呟くのをサフィーアは隣で聞いた。


(ブドゥール王妃って、確かシャールの兄上の母上だよね)


鋭い眼差し。

人を寄せつけないオーラ。

ピリッとした雰囲気を纏うブドゥール王妃はシャールカーンが言っていた通り、美人だが怖そうだ。


遅れて登場した第一正妃はゆっくりゾバイダ王妃の前まで来ると、ピタリと足を止めた。