砂漠の夜の幻想奇談



 宴の広間はとんでもないことになっていた。

どうやらオマル王は側室を含めた全ての妻を宴に呼んだらしく、三百人以上の女性達で広間がうめつくされている。

しかも貴族達まで招待したものだから、混雑ぶりは半端じゃない。


(すごい人の数ね。私達はどこに座るのかしら?)


サフィーアが戸惑っていると、シャールカーンが奥の長椅子へ腰掛けるよう促した。

そこは王様の席の隣で、シャールカーンも一緒に座る。

「おお、来たかシャールカーン。それにサフィーア姫も。待っていたぞ」

機嫌良く迎えられる。

ニコニコ顔のオマル王。

そんな彼の右隣には不機嫌そうなゾバイダ王妃の姿があった。

王様とは正反対の表情にシャールカーンは苦笑する。

「兄上!」

ゾバイダ王妃の横にいたカンマカーンが小さく手を振っている。

シャールカーンは笑顔で手を振り返した。