砂漠の夜の幻想奇談


すっかり元気になったと報告してからシャールカーンはサフィーアを前に出した。

「母上、俺の寵姫サフィーアです。コンスタンチノープルの王女ですよ」

「まあ!私も西側出身なの。仲良くしましょうね」

ふわりと微笑み、サフィーアの手を握る。

サフィーアの胸がドキドキと高鳴った。

緊張とは違った意味で。

「カンマカーン王子から貴女のお話も聞いていてね、会いたかったのよ。会話はラテン語の文字でしょう?私は読めるから遠慮なく話し掛けてちょうだいね」


(はい!)


アブリザ王妃につられてサフィーアも自然、笑顔になる。

「ところで母上。侍女も付けずに一人でいらっしゃったんですか?」

「ええ。侍女の目が煩わしくて…。なんだか見張られてるみたいでしょう?」