言った直後、その人物は静かに部屋へと入ってきた。
「シャール…」
薔薇の香り。
蜜のように甘やかな声音。
彼女が歩くたびに少し癖のある金の髪が揺れる。
優しげな目元。
(キ、レイ……)
サフィーアは思わず見惚れた。
「母上…!」
シャールカーンが立ち上がる。
(この方が、シャールの母上…!?)
超美人。
シャールカーンがなかなか結婚相手を決められなかった理由がわかったような気がしたサフィーア。
こんな美女が母親だと、女性の理想像はさぞかし高くなるだろう。
「母上、お変わりないようで何よりです」
「貴方も、元気そうで安心したわ。カンマカーン王子から大怪我をしたと聞いた時は心臓が止まりそうでした」



