砂漠の夜の幻想奇談



(わかった!宴の準備を任されていた大臣ね!)


「思い出したか?」

納得したように首を振るサフィーアを見てニヤリと笑むシャールカーン。

「ちなみに、バルマキーの父上もダンダーンだぞ」


(え!?)


今、カシェルダと共にコンスタンチノープルへ向かっているシャールカーンの側近、バルマキー。


(う、嘘!?じゃあバルマキーも王族なの!?)


「あいつの父親はダンダーンだが母親はフェトナー様じゃない。バグダードの貴族の娘だ」

驚いて目を白黒させるサフィーアの心中を察して解説する。

一夫多妻ゆえに関係が複雑だ。

そろそろサフィーアの頭がややこしい人間関係にこんがらがってくるだろう。


「失礼するぞ」

そんな時だった。

廊下で見張り役を務めていたダハナシュが急に中へ入ってきた。

「どうした?ダハナシュ」

「客人だ。なかなかの美女だぞ」