砂漠の夜の幻想奇談


ノーズハトゥがどんな女性か教えてと書く。

それを読んだシャールカーンは目を瞬かせた。

「どんなって、信頼できる俺のいとこだけど?」

同じ答えが返ってきてサフィーアは頬を膨らます。


(そういうことを聞きたいんじゃなくて…!)


上手く伝わらないもどかしさに苛立っていると、横からドニヤがフォローしてくれた。

「サフィーア様がお聞きしたいのは、もっと内面的なことではないでしょうか?」


(そうよ!ドニヤありがとう!)


サフィーアの表情がパッと明るくなる。

その変化を眺めながらシャールカーンは顎に手をやった。

「内面か…。性格は大人しくて控えめ。従順的で、妻にするなら理想のタイプだな」


(妻……)


なぜかその単語を耳にして、謁見の間で見つめ合っていた二人を思い出す。

また、胸がチクリと痛んだ。