砂漠の夜の幻想奇談



 それから、石鹸で綺麗に身体を洗い、薔薇の香りがする湯に浸かり、身も心もリラックス。

ノーズハトゥより一足先に風呂から上がると、サフィーアはシャールカーンの自室に通された。


「お帰り。浴場はどうだった?」

長椅子に寝そべり、寵姫の帰りを首を長くして待っていたのは、もちろんシャールカーンだ。


(気持ち良かったわ!)


ニコニコしているサフィーアを見てご機嫌を察し「それは良かった」と笑みを浮かべる。


「ノーズハトゥザマーン様もおいででしたよ」

会話を繋ぐため何気なく言ったドニヤの言葉に、サフィーアがピクリと反応した。


(シャールに聞いてみようかな…)


ノーズハトゥザマーンのこと。

シャールカーンは「信頼できる」と言っていたが、どんな女性なのかもっと詳しく知りたい。

サフィーアはテーブルに用意されていた紙と筆を持った。