砂漠の夜の幻想奇談



 宴会が催される前に、ひとっ風呂。

砂埃を流し、旅の疲れを癒すべく宮殿の浴場へ向かったサフィーア。

「こちらですよ」

ドニヤに案内され、脱衣所へ入る。

衣服を全て脱ぎ、タオルを身体に巻き付け、いざ浴室へ。


(うわぁ。やっぱりお風呂も豪華…!)


さすが王宮。

浴場も広かった。

部屋はいくつかに分かれており、サフィーアは基本を守ってまずサウナ部屋の台に腰掛けた。

ここでよく全身を温め、汗を出す。

それが済んだら身体を洗うのだ。


広い大理石の台に寝転がり、伝わってくる熱さを心地好く感じていると、入口の方から声がした。


「あら、サフィーア姫」


サフィーアとドニヤが一斉に振り向く。

するとそこには、入浴しに来たのであろうノーズハトゥザマーンの姿があった。