砂漠の夜の幻想奇談


シャールカーンは決意した。

改まって父王の方を向き、丁寧に気持ちを述べる。

「父上、異存はございません。私をダマスへ行かせて下さい」

「兄上!?そんな…!」

カンマカーンがビックリした顔で兄を見つめる。

「カン、いいんだ。ありがとう」

「シャール兄上…」

切なげな瞳を向ける弟から視線をそらし、シャールカーンはオマル王の高らかな声を聞いた。

「では我が息子シャールカーンをダマスの太守に任命する!勅令をしたためるゆえ、書記をここに呼べ!」

すぐさま大臣が書記官を連れてきた。

その場で正式な書類が作成される。


こうしてシャールカーン王子のダマス行きが決定したのだった。