砂漠の夜の幻想奇談


「サフィーア。俺のいとこノーズハトゥザマーンだ。信頼できる女性だから、ここで何かあったら彼女を頼るといい」

紹介の後、また顔に微笑を取り戻し、ノーズハトゥザマーンが会釈した。

「ノーズハトゥザマーンです。ノーズハトゥとお呼び下さいね、サフィーア姫」

「サフィーアは口が利けないんだ。会話は紙と筆で頼むよ」

「まあ…知らずに、申し訳ありません」

丁寧に謝罪され、戸惑うサフィーア。

気にしないでと、頭を上げさせる。


こうしたやり取りの横では、オマル王がソワソワしながらこう呟いていた。

「さて、シャールカーンが来たとなれば今宵は宴だな。大臣(ワジール)ダンダーン!」

「はい、王様」

傍に控えていた側近を呼び、命じる。

「宴の準備をせい!貴族達を呼び、大いに盛り上げようぞ!」

「御意」


かくして、宴は開かれる。