砂漠の夜の幻想奇談



 王が昼間、宮殿内にて仕事をする場所を政務所(デイワーン)という。

その政務所に置かれた長椅子に堂々と腰掛けているのは、もちろんこの国の王様オマル王。

そして、王の周りに侍っているのは大臣や貴族達だ。

今日も今日とて内政に関して話し合いが行われていたが、駆け込んできた召使の知らせに会議どころではなくなった。

「王様!たった今、シャールカーン王子様が宮殿にご到着なさりました!」

「何!?まことか!?」

笑顔で長椅子から立ち上がると、オマル王は会議を中断させ政務所を飛び出した。

向かうは謁見の間。

おそらくシャールカーンはそこで待っていることだろう。

政務所から割と近い広間へ急ぐ。

五分とかからず王は謁見の間に辿り着いた。