砂漠の夜の幻想奇談



 王宮の門をくぐり、すぐ宮殿内へ。

と思いきや、門をくぐってからが長かった。

だだっ広い中庭。

門から宮殿までの距離に街一つ入ってしまうのではないかと思われる。


(すごい…!ダマスの屋敷も広いけど、それ以上だわ!)


サフィーアはシャールカーンの屋敷と比較した後、自分の生家コンスタンチノープルの城を思い出した。


(……広い。絶対こっちの方が広い!)


差を見せつけられたような感覚に、縮こまるサフィーア。


(なんだか、物凄く緊張してきた…!)



ラクダから降り、ようやく宮殿内に入った時、サフィーアの表情は強張っていた。