「ええ~、ガラスでござい!太陽の雫!アラバスターの乙女!色とりどりの蜜!ガラスでござい!」
ガラス細工売りの男が籠に入った綺麗なガラスの小物を見せつけながらサフィーアに近寄ってきた。
「いかがで?とても綺麗でしょう?お安くしますよ?」
ラクダに乗っているサフィーアは、高い位置からガラス細工が入った籠を覗き込む。
(本当!キラキラしてて素敵!あ、これなんて可愛い)
サフィーアが商品をよく見ようと手を伸ばしたその時。
「こんな安っぽい品、姫の引き立て役にもならないな。いらん。失せろ」
サフィーアの乗るラクダを引いていたダハナシュが商人を遠ざけた。
(あ!可愛かったのに…)
ベールの内側でプクッと頬を膨らますサフィーア。
勘の良いダハナシュが笑う。
「拗ねてしまったのか?」
(べつに、拗ねてないもん!)
「フフ、サフィーア姫はわかりやすくていらっしゃる」
笑みを深めるダハナシュ。
気づけば、彼らは王宮の門の前に到着していた。



