砂漠の夜の幻想奇談



 上へと続く長い石の螺旋階段。

石壁に沿って点る炎を頼りに最上階へ。


(やっぱり、この塔は…!)


サフィーアは上まで一気に駆け上がると、兄達が生活している部屋へ飛び込んだ。


(兄上!!)


テーブルを囲み、談笑していた十二人の男達が一斉にサフィーアを見る。

急な妹の登場に一同は目を丸くした。


「え?サフィーア!?」

最初に反応したのは一番歳が近いコスティだった。

「なんでなんで!?」

「どうやって来たの!?」

続いて双子のアドニスとマリノスがビックリして立ち上がる。


「いらっしゃい、サフィーア。元気にしてましたか?」

優しいオーラを放つエリアス。

「どうした?なぜ喋らないんだ?」

話し掛けても笑顔を見せるだけで全く喋らないサフィーアに、長男ニコラオスが首を傾げたその時。