砂漠の夜の幻想奇談



 荒涼とした大地。

視界に映るのは、岩肌が剥き出しの山々。


町を出てから数十分。

まだ砂漠地帯ではないが、緑が少ない。

周りの景色はほとんど土色で、目を楽しませるものが何もなく、サフィーアは眠気を覚えた。


(退屈だなぁ………寝ちゃいそう…)


「サフィーア様?起きていらっしゃいますか?」

隣でラクダを駆るドニヤに呼びかけられ、うとうとしていた彼女はビクッと身体を震わせた。


(ビ、ビックリした!)


「あはは!周りこんなんじゃ、つまんないですよね~。わかります。オレも眠いもん」

右隣にはトルカシュ。

カシェルダがいないため代わりに彼がサフィーアの護衛官を務めることになった。


「眠気覚ましに水はいかがです?」

ドニヤに問われ、コクリと頷く。

照り付ける日差しのおかげで喉はカラカラだった。