砂漠の夜の幻想奇談



(シャールが、好き…)


擦り寄ってくるサフィーアを可愛く思い、彼女の美しい黒髪を撫でるシャールカーン。


「なら、俺を夫として認めてくれる?」


一瞬、サフィーアは「またか」と思った。

しかし「待てよ」と冷静になって考えてみる。


(私はシャールが好き……シャールも私が、好き…。なら、結婚するのは……)


おかしくない。

むしろ自然なことだと気づき呆然となる。


(え……?え?好きイコール結婚なの?)


戸惑って見上げれば、シャールカーンは憎たらしいくらい綺麗な微笑を浮かべていた。


(シャ、シャール…?)


ちょっぴり引き気味のサフィーアをグイと抱き寄せる。

「そんな嫌そうな顔しないで。俺とのこと、前向きに考えてよ」


誘惑に長けた甘い声音。

ドキドキと激しく高鳴る胸の鼓動。

無垢な少女が陥落するまで、あと僅か。