砂漠の夜の幻想奇談


「おは、よ…サフィ…ア」

目覚め一番にシャールカーンの微笑み。

寝台に突っ伏していたサフィーアはガバリと起き上がった。


(シャール!!)


サフィーアに合わせて静かに身体を起こす彼の額に手をやり、熱を確認する。


(熱くない…。良かったぁ!下がったんだ!)


あまりの嬉しさに、サフィーアはシャールカーンに勢いよく抱き着いた。

「うっ…!」


(あっ!ごめんなさい!)


熱は下がったが傷はまだ癒えていない。

痛みに呻く王子から身体を離す。


「サフィ、ア…みず……くれ、ないか」


(水ね!待ってて)


サフィーアはテーブルに置いてあった香りのいい薔薇水を差し出した。


「あり、が…と…」

シャールカーンは受け取ると、一気にそれを飲み干した。