砂漠の夜の幻想奇談



 小窓から降り注ぐは、穏やかな午後の日差し。

シャールカーンは眩しさに睫毛を震わせた。

「ん……」

うっすらと目を開ける。

ここ数日、意識は朦朧としていたが、今はスッキリしていた。

どうやら熱は下がったようだ。


握られた手の感触に、ふと横を見る。


「サ…ィ…ア…」


久々に発したせいか、声は掠れていた。

苦笑しつつ、サフィーアの規則正しい寝息を聞く。

ずっと傍にいてくれたのだろう。

熱にうなされていた時は相手の顔を見る余裕もなかったが、いつも誰かが手を握ってくれていたのは覚えていた。


(君だったんだね…。ありがとう)


空いている手を伸ばし、そっとサフィーアの頭を撫でる。


すると、彼女の瞼がゆっくり持ち上がった。