砂漠の夜の幻想奇談


「サフィーア様、お部屋でお休み下さい」

医者が来てからも一睡もせずにシャールカーンの傍にいたサフィーア。

ドニヤは彼女まで倒れては大変と休息を促す。

しかしサフィーアは首を縦には振らなかった。


(シャールの傍にいたい…)


眠るシャールを見つめ、手を握ったまま床にしゃがみ込む。

サフィーアの意思を察したドニヤはやれやれと溜息をつきつつも、無理強いはしなかった。

サフィーアがここにいたいなら、そうさせてあげよう。


ドニヤはそっと部屋を出た。

もうすぐ朝食の時間だ。

サフィーアのために食事を用意しなければ。

彼女は早足で厨房へ向かった。