シャールカーンが到着するまで後僅か。
そんなこと知りもしないサフィーアは食われまいと必死に檻の中を逃げ回っていた。
(嫌ぁ!来ないで~!)
睡眠を邪魔されて不機嫌なのだろうか。
バキータは恐ろしい唸り声で詰め寄ってくる。
(だ、誰か…!!)
朝になれば餌をやりに人が来るだろうが、それまでに自分が食われる自信がある。
猛獣から逃げ回るには決して広いとは言えない檻をちょこまか移動し、サフィーアは生き延びることだけを考えた。
(叫んで助けを呼べば……)
しかし、それは兄達の人生のジ・エンドを意味する。
(でも、私が死んだら同じことよね…)
声を出して自分だけでも助かるか。
兄達を裏切らずに食われるか。
(どっちも嫌ぁ!!)
その時だった。



