砂漠の夜の幻想奇談


「まずは屋敷内だ!俺は東側を、カシェルダは西側を頼む!」

「わかった」

途中の廊下で左右に別れ、それぞれの道を進む。

物音や人の気配をいち早く察知しようと神経を研ぎ澄ます二人。


少しして、東側を選んだシャールカーンが怪しい異変に気づいた。


「扉が、開いてる?」

それは地下へ続く例の扉だった。

普段はきっちり閉まっているはずなのに、おかしい。

そう思い近寄ってみると…。


「ん?誰だっ!!」

突然階段を駆け上がってきた黒い影。

相手はシャールカーンに気づくと一目散に逃げ出した。

「待て貴様!!」

後を追いかけようと走り出すも、突如、地下からバキータの咆哮が聞こえた。

身の毛がよだつ吠え声に思わず足が止まる。