砂漠の夜の幻想奇談



 その頃、真夜中の招かざる客を駆除し終えたシャールカーンとカシェルダは、ドニヤのいる小部屋を訪れていた。

てっきり心配顔のサフィーアが飛び出してくると思ったのだが、ドニヤの一言に現実を思い知らされる。


「え?来てませんよ?」

「はあ!?」

見事に男二人の声が重なった。

「来てないって…ならサフィーアはどこに?」

「姫……。もしやまだ敵が潜んでいたのか?」

もしそうだとしたらサフィーアが危険だ。

シャールカーンは焦った調子で言った。

「手分けして探そう!」

「ああ。まだ近くにいるはずだ」

カシェルダも同意する。

「私はここで待機しています。万が一サフィーア様がいらっしゃった時、すれ違いにならないよう」

「ああ、頼んだよ。ドニヤ」

言葉をかけてからシャールカーンは駆け出した。

カシェルダもついて来る。