ピシャリと投げつけられた言葉にトルカシュは怯んだ。
「……勿体ないですよ。貴方様には王になる素質があるのに…」
正妃と側室で順番がどうのなどと言っているが、最終的には現王が気に入って指名した王子が次の王となるのだ。
少しでも父王によく思われていた方が有利なのは明らか。
それなのに、この王子は初めから王位を諦めている。
「政務はつまらないんだよ。どうせなら将軍になりたいね」
「無茶言わないで下さいよ…。あ、将軍と言えば王子!この間の遠征が上手くいったので王様が労いの宴を明日開くそうですよ」
「…知っている」
ペルシャへの遠征から帰還してまだ一週間と経っていない。
正式に父王から感謝と称賛の言葉を賜る場が明日、設けられるのだ。



