「王子!サフィーア様!喉は渇いていらっしゃいませんか?よろしければ氷菓子をお持ち致しますよ!」
話の流れを変えるため、焦ってドニヤが割り込んできた。
「うん!頼んだよ、ドニヤ」
王子の心良い返事にドニヤはこれ幸いと立ち上がる。
そして、皺の多いダリラの顔を見た。
「手伝って下さい。今日は特に暑いですから、たくさんご用意して差し上げませんと」
ニッコリ微笑みつつも、この場から「災厄」を追い立てようと必死だ。
サフィーアの素性はトップシークレット。
この乳母に根掘り葉掘り質問されて良からぬ展開になっては大変である。
「…わかりました。参りましょう」
ドニヤの目を探るように観察してから、よっこらせと立ち上がる。
ダリラは自分の後ろにいた数人の侍女を伴い、先頭を歩くドニヤについて部屋を出た。



