砂漠の夜の幻想奇談


「サフィーア、とても綺麗な肌だね。思わず見惚れてしまったよ」

これまたダハナシュ同様、素敵なスマイルを向けられ、サフィーアはようやっと自分は今恥ずかしい裸体姿なのだと自覚した。

「っ…!!」

手で胸を隠し、真っ赤になって唇を開く。

サフィーアが叫びそうなのを瞬時に察し、いち早く優秀な護衛官が動いた。


「姫!!!!」


自分が濡れるのも構わず、泉の中にいたサフィーアに抱き着き口を手で塞ぐ。


「んっ…!?」


危機一髪。

くぐもった声が漏れたが恐らくセーフだろう。

なんとか間に合ったのを安堵し、大きく息を吐き出すカシェルダ。

「姫、もっとお気をつけ下さ……」

言い終わる前にカシェルダはハッとした。

「ももも申し訳ございません!!!!!!」

見ただけでも無礼千万なのに、あろうことか、抱きしめてしまった。

パッと手を放して後ろを向き、慌てて泉から上がる。


「カシェルダ、役得だね」

「ふん!駄犬め。食えない奴だ」

「わ、わざとではない!!」

「何でもいいから戻ってちょうだい!!サフィーア様に失礼よ!」


ドニヤの一喝で男性陣は退散を余儀なくされた。

さらに身体を火照らしたサフィーアを泉の中に残して。